現代建築の意匠ブロンズ・アルミ鋳物専門メーカーの
京都傳來工房専務の橋本です。
来週からいよいよ7月、夏本番です。
大相撲も7月7日から暑い暑い名古屋場所が始まります。
5月の夏場所では15戦全勝で2場所連続25回目の優勝を白鵬関
(宮城野部屋 モンゴル・ウランバートル出身)が見事に飾りました。
さて、この連勝記録どこまで更新するか楽しみです。
さて、昨日出張で東京両国近くまで来ましたので
このブログのために両国の国技館を覗いてきました。
1985
設計:杉山隆建築設計事務所・鹿島建設建築設計本部
施工:鹿島建設
杉山建築設計所長の今里隆先生の仕事は、
京都にもいくつもあります。
代表的な建築は、名料亭の京懐石の竹茂楼(たけしげろう)や
四条の南座(みなみざ)修復改修設計などです。
この国技館は伝統的な寄棟を現代的な意匠で構成されていますが
私たち傳來工房がお手伝いしたのは、
正面入口上部の軒先の破風(はふう)部です。
《青銅鋳物破風》
鋳作:傳來工房
材質:ブロンズキャスト(青銅鋳物)
仕上:緑青発色仕上げ
寸法:全長約28m
実はこの仕事
約30年前、私もブロンズの仕上げで
手伝った時のことをハッキリと覚えています。
とてつもなく重いのと、形状が微妙に三次曲線の形状をしており
鋳造時したあと、ブロンズが凝固する時にどうしても歪(ひ)ずむため、
求められる施工寸法精度を出すのに大変苦労した記憶があります。
正面入口両翼全長約28mを
ブロンズキャスト(青銅鋳物)でお手伝いしました。
傳來工房は、今まで社寺建築や現代建築分野で
数多くの大きなブロンズ意匠鋳物を鋳造してきましたが
1ピース200kgを超える軒先破風をこれだけ使った建築を
見たことはありません。
間違いなく、建築分野での青銅鋳物製破風ではギネスもの仕事ですね。
久しぶりに訪れた国技館入口のブロンズの仕事に
約30年を経過した緑青発色を見て、さらに風格と重みを感じます。
そして、傳來工房の現社長も前会長も
学生時代《体育会相撲部》出身だけに
国技館のブロンズの仕事にご縁を感じます。
良い仕事のお手伝いをさせていただきました。
あらためて関係者の皆さん、本当にありがとうございました。
《余談》 お時間があれば・・・
これを書きながら思い出した話があります。
この国技館建設当時の理事長が名横綱だった
元栃錦の春日野親方と副理事長が元初代若乃花の二子山親方。
相撲協会最強の布陣!
建設費用も全て協会の自前で計画された。
しかし設計が進むにつれ、あれもこれもで予算が次第に膨らんだ。
そして名勝負が始まった。
二人が勝負したのではなく、二人がタッグを組みある人と勝負した。
その相手はなんと!
小柄な鹿島建設の石川六郎社長。
春日野親方が
「わたしらは生粋の勝負師。勝つのが仕事です。」
石川会長
「?・・・・・」
二子山親方
「だから、負けてください。」
石川会長
「そんな、値切り方は初めてです。」
と、ウン億値切られた。
と、いうより寄り切られた。
これは、実話です。