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2013年10月31日

京都ホテルオークラ

京都のデザインアルミ鋳物専門メーカーの傳來工房専務の橋本です。

明日から11月、京都もいよいよ紅葉シーズンに入ります。
今年の紅葉は、いつもより市内を囲む山沿いが色付きが早いようです。

上洛される人も、国内の観光客はこれからですが
今年初旬からの円安効果もあり市内の海外観光客も
昨年と比較するとあきらかに増えているように思います。

国際観光都市を目指す京都にとって喜ばしいことですが
その観光客の受け皿となるホテル施設も
近年、ハイアットリージェンシーH京都、グランビア京都H、
ロイヤルパークH京都がオープンしました。

現在、リッツカールトンH京都やフォーシーズンズH京都など
アッパークラスの施設が次々と建設中です。

その先鞭となったのが、「京都ホテルオークラ」です。

設計:三菱地所設計・清水建設様
施工:清水建設・西松建設JV様
竣工:1994

京都の中心部にあった名門ホテルが新しい時代に向け
新たにオークラの冠を付け、10年前に新築オープンされました。

我々傳來工房がこのホテルでお手伝いしたのは、なんと初めての部位でした。

それは、建築用語に云う「卯建(うだつ)」です。

少し話の横道を

「ウダツの上がらない男」と揶揄される言葉なら
一般の方でもご存じでは・・・

ウダツとは、切り妻様式の屋根の端部などに防炎壁として
使われる部位です。

先程の例えは、ウダツの上がる大きな建物は
建てられない器量の男ということかもしれません。

さて、このホテルの何処にウダツが・・・

ズームアップして見ると

アルミキャスト卯建(ウダツ)
材質:アルミ鋳物
寸法:800×1000mm 約180箇所

各客室の屋外バルコニー上部にある防炎垂れ壁が
少しだけ判別出来ますでしょうか・・・ 
(これ以上ズームは出来ませんでした。)

画像ではよく見えませんが、アルミ鋳物表面に
外装意匠と同じ格子デザインを凹凸のレリーフ調に仕上げてあります。

アルミキャストの自由な意匠性、造型性の良さを
意匠設計家がこの部位にご利用されました。

京都の名門ホテルだけに、設計のご担当者が
伝統的な部位用語「卯建」にこだわれたのかもしれません。

《余談》
改築前の名門京都ホテル2Fに思い出のBARがあった。
Bar Target (バー ターゲット)
チークの無垢材を贅沢に使われ、京都では昔から
アッパークラスのBarとして存在していました。

そのBarのグランドピアノの後に、大きな彫刻レリーフがあり
われわれ傳來工房で鋳造製作したものでした。

上質で大人の空間にマッチしていたのが懐かしい。

現在のこのホテルのBarにはありませんが、
あのレリーフは何処に行ったのか?

惜しい・・・