こんにちは、アルミキャスト、ブロンズキャスト専門メーカーの傳來工房専務の橋本昇です。
今回より、全国の「傳來工房の仕事」を訪ねながら皆さんにご紹介していきます。
第一回は、ご存知「皇居」です。宜しくお願い申し上げます。
12年ぶりに晴天の皇居正門前のブロンズ高欄現場を訪ねた。
あらためて、見事なブロンズの仕事にため息が出た。
そして当時の関係官庁(建設省関東地建、環境庁、宮内庁)の
担当官の顔をすぐ思い出した。
よくぞ、短期間にあれだけの調査と資料作成
そして復元製作施工をしたと誇り思う。
幕府崩壊後、江戸城開城から皇居御造営がはじまり、
明治21年に皇居正門石橋前に当時、鉄鋳物製の意匠高欄が設置された。
約100年間、管轄である皇居外苑事務所が丁寧に保守されてきたが、
やはり酸化腐食には鉄は勝てず、
二重橋すずらん灯と同材質のブロンズ(青銅鋳物)復元が決まった。
関東地建内の意匠担当精鋭担当官と
具象彫刻担当の当社原型スタッフを交えた入念な復元打合せと
繰り返し行われたエスキース(習作模型)のおかげで
非常に完成度の高い復元原型が出来た。
いよいよ、京都工場にてブロンズ鋳造の工程に入り
急遽、国賓が入門される皇居正門の関係もあり
納期短縮の要請が官庁よりあった。
今でもはっきり覚えているが
その時、皇居外苑事務所の皆さんや元請の大林組所長はじめ、
現場の皆さんの段取りと調整がすばらしく
当社職人の注力もあり見事に納期短縮が実現した。
物件が皇居だけにここでは書けないエピソードも少なくないが、
終盤の工事追い込みの夜、 関連担当官、工事関係者一同、
気合を入れる為に某事務所でみんな真っ白になってそば打ちをし、
打ちたてのそばに舌鼓を打った事だけは書いておこう。
もちろん、私も京都から「MY麺棒」を持って行った。
その時、宮内庁北の丸事務所から
差し入れのあった銘酒「惣花(そうはな)」の旨かった事、旨かった事!
コメント
改めて伝統と格式の高い会社なのだと感じました。
投稿者: Anonymous | 2006年07月08日 12:44