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2008年07月24日

西園寺公望(ブロンズレリーフ)その弐


「なんじゃこりゃぁ〜」(もういいですか?)の大発見から3週間、
立命館大学のご担当者が清見寺へ赴き、複製のお願いをされ、お寺側が快諾。

中学高校を含む各キャンパスに複製を設置する計画が立ちあがり、
傳來工房にお声を掛けて頂きました。

一旦、傳來工房にてお預かりをするのですが。。
なんせ石膏ですから、値段付けられないですから、
細心の注意を払って持帰り、ビクビクものです。


傳來工房での仕事としては、まず石膏原型の複製を造る事です。
出来るだけ早くオリジナルはご返却をしなければお預かりは怖くて怖くて。。

石膏原型を破損しないように、汚れが付かないように、離型材を塗布し、
シリコンを何層かに塗り込み、シリコン型取りを行います。
写真では凸のように見えたりしますが、実際は凹んでます。


そして、このシリコン型に石膏を流し込んで固まれば復元の完成です。
この複製石膏原型を元にブロンズ鋳物を製作して行きます。


同時に原型製作、鋳造のお手伝いをさせて頂いたのが
中川小十郎氏のレリーフです。
中川家は古くから西園寺公に仕えていたそうです。
西園寺公からは信望が厚く、西園寺公が文部大臣時代に
秘書官に任命されています。

西園寺公の私塾である「立命館」の継承を申し出て
これを許され立命館大学の創設者となります。

ちなみに中川小十郎氏、世界的に活躍し、
ニューヨーク近代美術館に永久保存の作品を
手掛けた巨匠である流政之氏のお父さんです。


中川小十郎氏のレリーフは立命館の前理事長である川本八郎氏のご推薦で、
作家の故杉村尚氏に原型をお願いしました(彫刻家・京都教育大名誉教授)
こうして京都に密接な関係のあるお二人のレリーフが完成。


立命館の各中学、高校、大学の施設に設置を致しました。
下の鋳物の銘板は川本八郎氏の直筆にて製作をしています。


そう言えば当時(7年前)、倉木麻衣が立命館の学生だったので、
何かと用事を作っては学内をウロチョロしたのですが。。。
結局は姿を発見出来ず悔しい思いをした事が。。
チャンチャン、でした〜

2008年07月08日

京都造形芸術大学

京都のアルミ鋳物、アルミキャスト専門メーカーの傳來工房専務の橋本昇です。

京都ではこの季節蒸し暑い日が続きます。
その京都の北白川(きたしらかわ)に《京都造形芸術大学》があります。

現在の学長は、今最も勢いのある日本画家の千住博氏。
副学長は、多才な作詞家の秋元康氏。
その他、各学部教授陣も市川猿之助や宮本亜門などの名前もあり、
かなり個性的な芸大といえます。

約30年前この大学のキャンパスが出来た時、大学からの依頼で
われわれ傳來工房が大学入口に大きなレリーフをアルミ鋳物で製作しました。


《アルミ鋳物レリーフ》
W2030×H1180×D60mm 
材質:アルミ鋳物 仕上げ:ブロンズ風ウレタン塗装

「教えるとは 共に希望を語ること
 学ぶとは 真実を胸に刻むこと」

フランスのレジスタンス詩人《ルイ・アラゴン》の詩です。
(Louis Aragon: 1897-1982)


今回、大学側から2つの依頼がありました。
一つは、キャンパス内校舎「人間館」にこのレリーフを移設すること。


《人間館》


もう一つは、姉妹校の山形市にある東北芸術工科大学に
同じレリーフを製作し設置することでした。


《写真東北芸術工科大学全景》
設計:(株)本間利雄設計事務所 
この大学は、日本で初めての公設民営の大学です。

今回の仕事で学校法人や宗教法人など「永遠に残すべき、伝える言葉」を
アルミ鋳物やブロンズなど立体的な金属でカタチにしておく価値は
大きいと感じました。やはり、素材や質感の重みか・・・


企業でも、経営理念やミッションなど社員と共有する大切な言葉を
大きなアルミ鋳物やブロンズのレリーフにしてはいかがでしょうか。

出来れば建築空間に一体化させる事が出来れば最高ですね。

《余談》
数年前、この京都造形芸術大学で行われた産学協同プロジェクトの
シンポジウムに参加した。

その時、現在名誉学長をされている芳賀徹(はがとおる)氏が
興味深いことを言われた記憶があります。

ある有名洋菓子企業の社長が
「スタッフの《ソウゾウ力》で企業の業績が左右する。」と話されたところ、
芳賀さんが質問をされた。

「その《そうぞう力》とは、どんな漢字の《ソウゾウ力》の事ですか?」
「もちろん、クリエイティブの《創造力》のことです。」とその社長が答えると

芳賀さんが噛み付いた。

「とんでもない事だ。最も重要なのは、イマジネーションだ。
つまり、《想像力》だ。
イメージをカタチにするためにどれだけ具現化できるイマジネーション力が
あるかで成功の可否が決まる。
これはアートでも建築でもケーキをつくることでも共通する。」と結ばれた。

卓見だ。
専門は比較文学で一見紳士だがなんと熱い人だとファンになった。


《芳賀徹京都造形芸術大学名誉学長》