アルミ鋳物によるアートワーク、建築意匠専門メーカーの
傳來工房専務の橋本昇です。
木枯らし1号が吹き、急に寒くなったと思ったら
もうフィギアスケートのグランプリシリーズが始まった。
10月23日名古屋で行われた第一戦NHK杯では
男子の部で高橋大輔選手がショートプログラム、
フリー共トップでダントツの強さの優勝を飾った。
彼が前回のバンクーバー五輪で日本人男子初の
胴メダルを獲得してから、素人目から見ても
技術、表現力共、著しく進化していると思う。
現在、高橋選手の所属は関西大学大学院と書かれている。
もう一人のポープ織田信成選手も関西大学だ。
今やこの関大なくして日本のフィギアスケート男子はあり得ないほどだ。
この関西大学は、大阪京町堀に
1886年関西初の法律学校「関西法律学校」として創立。
特に建学の精神である「正義を権力から護れ」を
教育の理念「学の実化(じつげ)」として
学問とその実践に重きを置いているところは、
各産業界から共感される方も多い。
その創業の精神と歴史を刻む目的として
「100周年記念会館」が建設された。
設計:竹中工務店大阪設計部
そのシンボルとしてホール中央の大型モニュメントを傳來工房が制作した。
材質;アルミ鋳物(アルミキャスト)
松煙イブシ仕上げ H:3000mm
書きながら思い出したが、
この大きな金属のモニュメントを建築内部に設置するには分割搬入し、
現場で組み立てるしかないがその時、このモニュメントのデザイン責任者が
無理を私に依頼してきた。
分割したモニュメントを建築内部でボルトやビスで組むのではなく、
傳來工房京都工場と同じようにこの建築内でアルミ鋳物の部位を
アルゴン溶接仕上げて完成させて欲しいという要望があった。
つまり、これだけの大型彫刻をアルゴン溶接し仕上げるには、
この建築内に工場設備と同じ機材と熟練職人を使うしかなかった。
現場所長は、日中は内装仕上げがあるからこの作業はNGだと言う。
熱心な要望もあり、連日現場作業終了後、徹夜作業で
大型モニュメントを建築内部で制作した。
あとにも先にもこんな出張工房の仕事はこれだけでした。
完成し大学関係者、竹中工務店の皆さんに大変喜んで頂き、
苦労も吹き飛び、懐かしく思い出に残る仕事です。
これから高橋選手が出てきたら、
この関大モニュメントの仕事の思い出が出てきそうです。
《余談》
関西大学では大学歌のことを校歌と呼ばず、
「学歌」と呼び、あの山田耕作が作曲した。
面白いのは、応援歌で「マグマ大使」の主題歌を
替え歌で「関大マグマ」を歌うらしい
【関大マグマ】
千里が生んだ正義は関大 勝利の凱歌をあげるため
負けじだましの根性だ KANDAI ファイトファイトファイト
飛び出せ関大 勇気を持って 今日も関大に勝利あり
そう言う私も学生時代、西京極球場の同立戦でグレーター立命館相手に
「同志社アトム」を大声で歌っていたことを思い出した・・・
【同志社アトム】
苦難超えて ラララ 理想の彼方
行くぞ我等 勝利の限り
心雄雄しく ラララ 未来の子
皆のあこがれ 同志社アトム
本当の余談になりました・・・