アルミ鋳物による意匠パネル専門メーカーの
京都傳來工房専務の橋本です。
私の愛読書、井上靖著作「忘れ得ぬ芸術家たち」には
超一流の十数名の芸術作家を評されています。
その中に建築家が一人だけ紹介されています。
それが村野藤吾です。
もちろん、建築設計の世界では押しも押されぬビッグネームです。
しかし、井上靖が芸術作家として選出された評価は、非常に興味深い。
その巨匠建築家・村野藤吾の建築作品の中で、京都にある作品は
「都ホテル佳水園」や「宝ヶ池プリンスホテル」などが有名ですが、
お寺を設計されていることは、あまり知られていません。
それが市内の中心地にあります。
「一行寺 いちぎょうじ」 堀川五条下ル西本願寺前
このお寺は、「浄土真宗総本山 西本願寺」を守護する寺院で
檀家を持たない格調高い寺院です。
京都の人でもこの寺院の存在をご存知ない方も多いと思います。
われわれ傳來工房は正面、北面のアルミ鋳物外装パネルの製作をお手伝いしました。
近づいて見ると清楚な娑羅双樹の葉がアルミ鋳物により立体的な凹凸で描かれています。
見上げ上部のアルミ鋳物スリットも有機的な意匠が印象的です。
村野作品は、全体のフォルムも細かなディティールにも
このような造形的な表現が特徴です。
そのため、自由な立体表現が全てに可能なアルミ鋳物の素材を
村野藤吾が多く利用した理由が良く理解できます。
西本願寺では、本年4月から親鸞聖人750回大遠忌法要を
来年1月まで営まれています。
ぜひ、京都の西本願寺にお立ち寄りされ、
一行寺にもご見学されることをおすすめします。
さらにお時間があれば、西本願寺から近い
傳來工房京都本社のアルミ鋳物工場見学と環境整備視察にいかがですか?
従業員一同心よりお待ち申し上げます。
《あとがき》
昨年他界した元会長 橋本奈良二(実父)が
親しかったこの一行寺の那須住職様に
生前、自分の戒名を約束していたらしい。
傳來工房の中興の祖として
また、ニックネームの《船長》や
愉快な人生を歩んだ亡父を感じる
素晴らしい戒名のご協力をいただきました。
戒名:傳來院寧樂願船居士
ありがとうございました。 合掌