デザインアルミ鋳物専門メーカーの
京都傳來工房専務の橋本昇です。
今回は、現存する重要文化財周辺に採用された
意匠アルミ鋳物フェンスをご紹介いたします。
この建築は、西本願寺の大教校(現 龍谷大学)の校舎として
明治12年(1879)竣工した。(京都市七条大宮)
木骨石貼寄棟造 約130年の歴史を感じる。(重要文化財指定)
当時、ロンドンから鉄鋳物製の門扉や手摺りが
直輸入されていたが鉄特有のサビ腐食にはかなわず、
われわれ傳來工房で色々な金属部位を
耐食性の高いアルミ鋳物を使い復元しました。
もちろん正門の大型門扉も傳來工房で復元しました。
そしてあまり知られていませんが
この正門の両側及び重文指定されている全域を
アルミ鋳物製意匠フェンスで傳來工房で鋳造しました。
このフェンスは意匠にもこだわりがありましたが、
デザインの連続性を生かす為、道路側から柱が見えにくい工夫をした。
意匠を重視したこのディティールにこだわった施工方法は、
現在も公共施設の意匠フェンスに生かしています。
まさに「歴史から学ぶ」の実践です。
傳來工房では、このような重要文化財復元をする職人達の技術を
一般家庭向けアルミ鋳物製デザイン門扉にも商品化しています。
レンヌ門扉 アルミ鋳物製 (傳來工房ディーズガーデンブランド)
バランスの取れた意匠と上品な風格があり、無垢の肉厚の質感など
私個人としてもかなりお気に入りのデザイン門扉です。
《余談》 お時間があればぜひ・・・
この重要文化財の龍谷大学から少し北東へ歩くと
凄い建造物があることはあまり知れていない。
《唐門 (からもん) 国宝》
元々、伏見桃山城に建設されたが、歴史の変遷により西本願に移設され
桃山時代の貴重な建築物として丁寧に保存されている。
極彩色豊かで何より素晴らしい勢いのある彫刻が
美術工藝品として《国宝》の価値をひしひしと感じる。
豪華で精巧な様を眺めていたら、時間が経つのも忘れてしまうことから、
別名「日暮らし門」と呼ばれています。
彫刻や文化財に関わる一人として比べる事もないが、
江戸時代に作られた日光東照宮などこの唐門の足元にも及ばない。
しかし、この歴史上重要な建造物の前には
表示や解説など一切ないのには、驚く。
それと、話のタネにもう少し・・・
この唐門に空想の怪獣「麒麟(きりん)」が彫り込まれていますが
この麒麟がキリンビールの意匠デザインの元になったらしいです。
本当かなァ・・・