アート&デザイン的なアルミキャスト、ブロンズキャスト(鋳造)専業メーカーの
京都の傳來工房副社長の橋本昇です。
6月に入り、梅雨前なのになぜか今年は猛暑日が続きます。
先日、この猛暑で子供達が大はしゃぎで噴水で戯れているニュースを見ていて
「アッ、傳來工房で作った噴水!」と思わず声が出ました。
ということで、今回のテーマは傳來工房《噴水の仕事》のご紹介です。
明治維新後、急速な近代化はインフラにも大きく寄与した。
特に鉄道と同時に横浜で初めて
24時間365日いつでもどれだけでも使用できる近代水道が誕生し、
飲料水に悩まされていた浜っ子を驚かせた。
その近代水道の記念として、
今から約130年前、開港で賑わう横浜停車場前(現桜木町駅付近)に
日本で最初と云われるイギリス製のお洒落な噴水塔が設置されました。
その後、この噴水塔は駅改築や震災の影響により転々とし
現在は保土ヶ谷区の横浜水道記念館に保存されています。
昭和62年、横浜水道局が近代水道100年を記念し
「港の見える丘公園」に忠実に復元した実寸大復元を計画し
久保田鉄工様からの依頼でわが傳來工房が鋳造設置いたしました。
約100年を経過した元の噴水塔は鋳鉄製の為、
腐食に耐えられずこれからの未来を考え復元噴水塔は
高い耐蝕性の素材《ブロンズ 青銅鋳物》が採用され、
ブロンズ鋳造復元というより、本格的な彫刻大ブロンズ像の製作と
云えると思います。
H:4000mm 材質:ブロンズ(青銅鋳物) 仕上げ:緑青発色仕上げ
その為、この噴水塔の復元にあたり、
傳來工房内アトリエの芸大彫刻科出身のスタッフ達が
粘土原型から作り上げ、鋳造後のブロンズ仕上げまで
すべて京都工場で職人達と一緒になり完成させました。
傳來工房ではもちろん、製作した当時の手書きの古い図面も残っており、
この噴水塔を担当した当時の事を懐かしく思い出します。
今、思い出しましたが
京都工場内で完成検査の仮組みした時、
ブロンズだけにとにかく、重たかった事が記憶に残ってます。
今は赤い靴バスの観光ルートにもなっています。
お近くへお出での際には、ぜひご覧ください。