京都のデザイン意匠アルミ鋳物専門メーカー
傳來工房の専務 橋本昇です。
新しいもの好きの京都人の気質か、京都市内には
エポック(言い方が古いかなぁ・・)つまり時代の起点となる建築物が多い。
とりわけ、建築分野にデザインアルミ鋳物を納めている傳來工房としては、
この建築の事は、いつか紹介しなければと思っていた傳來工房の仕事の紹介です。
京都市役所前の御池通に柳馬場通(やなぎのばんば)との
交差点南西角に位置する「京都朝日ビルディング」。
設計:指宿真智雄(いぶすきまちお) �蠏�築デザイン一級事務所
竣工:1972
設計は、大阪万博の《万博ホール》の設計建築家として
高い評価を受けられ活躍されていた指宿真智雄さん。
37年前竣工されたとは思えないモダンでシンプルなファサードに
窓の位置や全体のバランスに現在でも建築家のセンスがうかがえる。
さて近代、現代建築の外装にアルミ鋳物、アルミキャストを
初めて採用されたのは、ご存知、巨匠 村野藤吾の千代田生命本社ビル(1966)。
建築家が求める造形的な意匠が自由に具現化でき、
高い耐候性そして軽い比重(2.7)がアルミ鋳物、アルミキャストを
外装や色々な部位で使われる後押しをした。
当時、色々な建築家が新しい意匠にアルミ鋳物を採用したが
ほとんどが粘土や石膏から造形された有機的な意匠であった。
その意味からこの朝日ビルディングに「幾何学的な意匠を
当時初めてアルミ鋳物、アルミキャストを採用された意味」は
デザインアルミ鋳物メーカーとして大変重要なことだと感じております。
その幾何学的な意匠、テクスチュアとは、これです。
(京都朝日ビルディング テクスチュア 立体六角形)
薄っぺらい金属仕上が多い中、近くに寄ると
アルミ鋳物の肉厚が約t10mmもある質感がなんとも温かく感じられ、
思わず触りたくなるのは私だけか・・・
六角形というと特に京都という土地柄、伝統意匠の亀甲模様を
思い浮かぶがそんなカビ臭さを微塵も感じさせないモダンなディティールです。
当時、六角立体を数千個あるこの原型を作った
当時の傳來工房アトリエスタッフにも拍手もの!
最近、中堅若手の建築家やデザイナーの中に
アルミ鋳物アルミキャストの今までにない新しい意匠や使い方に
チャレンジされる方が増えてきたように感じます。
例えば、丸の内パークビルディング壁面ルーバー、(三菱地所設計)
追手門学院大学一号館意匠外装スクリーン(三菱地所設計)
某宗教法人 天井レリーフ・ルーバー(日本設計)
などなど、新しいだけではなく非常に完成度の高い仕事です。
採用されるアルミ鋳物に求められるキーワードは、
従来の意匠性プラス
・環境貢献
・エネルギー貢献
・機能性
・トータルコストパフォーマンス
のように思います。
ぜひ、アルミ鋳物の《ものづくり》として
これからも新しいキャストの使い方にお手伝いしたいと願っております。
《余談》
指宿先生と初めてお会いしたときモダンな作品と連動しない
現役のお相撲さんを彷彿する大きな体格に驚いた。
しかし京都大学学生の頃はスマートで映画監督の大島渚と
一緒に演劇部で活躍され当時のアバンギャルドな活動を
懐かしそうに話されたことを思い出します。
