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2012年08月24日

いずみホール

意匠アルミ鋳物専門メーカーの京都の傳來工房専務橋本昇です。

来週末には9月に入るというのに、厳しい暑さが続いていますが
朝夕には秋の気配を感じる日も少しづつ増えてきました。

今回は、少し涼しげな旋律が聞こえそうな傳來工房の仕事の紹介です。

住友生命が60周年を記念し、住友生命OBPブラザビル内に
クラッシック専門のコンサートホールの建設を計画された。

《OBPプラザビル外観》

1990年

コンサートホールの名前は、江戸時代から続く住友家の屋号(やごう)
「泉屋(いずみや)」から《いずみホール》と命名。

《いずみホール全体》

設計:日建設計 
ホールデーター: 821席(1階713席、2階108席)

このホールの計画にあたり、世界でもトップクラスの音響評価である
《ウィーン学友協会大ホール》をベンチマークとして、
超一流の音響のために内装意匠・材質はもちろん、
照明シャンデリアまで音響効果と意匠の両立を徹底された。

われわれ傳來工房がお手伝いしたのは、
2階のバルコニー席前の透かし手摺りと
意匠腰パネルをアルミ鋳物で鋳造製作した。

《2階バルコニー席   鋳作施工:傳來工房》
・アルミ鋳物製透かし手摺り
・アルミ鋳物製意匠腰パネル

このいずみホールにアルミ鋳物採用された理由の少し説明を・・・

シューボックス型のコンサートホールの2階に位置する
バルコニー席の音響効果を確保するため、
シンプルですが気品を感じさせる菱格子の意匠をアルミ鋳物で鋳造しました。

《透かし菱格子手摺り 材質:アルミ鋳物 鋳作施工:傳來工房》

《透かし菱格子手摺り 材質:アルミ鋳物 鋳作施工:傳來工房》


この透かし格子により音響効果と同時に
2階観客席からの視界範囲と安全性を確保できました。


そして、傳來工房として特にこだわったのは、
2階観客席のコーナー席の手すりと意匠腰パネルのR加工です。


通常、R面は専用の深い型を作るか、加工で曲げるかの選択ですが
コストアップに繫がる型費を抑えることを考え、加工を選択しました。

しかし、肉厚7mm以上あるアルミ鋳物はこんな深いR面は通常不可能です。

そこで傳來工房としてアルミ鋳物の地金の合金配合を微妙に変えながら、
熱と荷重によるR面加工に挑戦しました。


いずみホール竣工後、当時設計部長をされていた日建設計の与謝野さんから
お褒めの言葉を頂戴し、職人達と一緒に大変喜んだたことを思い出します。

品位高い、素晴らしい仕事のお手伝いが出来たことは、
傳來工房の誇りであり、私にとってこれからの仕事の大きな励みです。

ありがとうございました。

《余談》 お時間があれば・・・

このいずみホールでお世話になった与謝野部長や与謝野グループの皆さんに
当時よく傳來工房にお声を掛けていただき大変感謝しております。

その与謝野部長のおじい様とおばあ様が
歌人の与謝野鉄幹と与謝野晶子だったとは・・・!

当時,お会いするといつも「ものづくりの気持ち」を汲み取っていただき、
親切に丁寧にお話いただいたことを思い出します。 
益々のご活躍をお祈りしております。  感謝

2012年08月20日

京都 超勝寺アルミ鋳物門扉

みなさん!こんにちは!
アルミ鋳物メーカー、傳來工房の杉村です。

今回のアルミ鋳物メーカー、傳來工房「探訪日記」では
地元、京都からです。
地下鉄東西線と京阪電車が交差する場所、「三条」にやって来ました。
賑やかな場所で、南へ少し歩くと祗園や八坂神社、
東北方向は平安神宮を有する岡崎公園、

西へ行けば東海道五十三次の起点である三条大橋を超えて繁華街の河原町、
北西に足を向ければ京都御所等々の非常に観光には便利な場所。

話がそれますが、三条大橋の下に流れる鴨川沿いでは
鴨川等間隔の法則」という得体のしれない法則があるのをご存知でしょうか??

私の時代ではアベック、すなわちカップルですな。
彼らが川べりに見事に等間隔に座ってなごんでる様を京都ではこう呼んでいます。
学生の頃は私も確かに座ってたなぁ。

ということで、京都の風物詩の一つに堂々ランクインされています!
ネットで調べるとたくさん出てきますよ。

さて、話を戻しましょう。
「三条」はこのように名所が徒歩圏内の好立地なのです。
この駅を降りて50mほど北へ向かうと
今回ご紹介するアルミ鋳物メーカー傳來工房の仕事物件が有ります。

超勝寺」というお寺です。

もうお分かりですね。
正面に見えるアルミ鋳物製の門扉がそうです。

お寺の門扉にふいさわしいデザインをアルミ鋳物の造形性の良さで表現です。

メクラ部分と透かし部分を織り交ぜてデザインを行っています。
透かし部分ですが、よくよく見るとかなりディテールに凝っています。

寺紋も色の塗分けをしていますが、アルミ鋳物門扉と一体鋳造です。

塀にはめ込んである透かし面格子もアルミ鋳物製。

門塀の部分にもアルミ鋳物製の透かし面格子を使っており、
門廻りが綺麗におさめられているのではないでしょうか。