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2008年09月26日

京都地方裁判所(門扉、フェンス)

アルミ鋳物メーカー、傳來工房の杉村です。
9月に入ってから傳來工房では複数の物件が重複し慌しくなってきました。
近々に順次ご紹介していきたいと企み中です。

さて今回の探訪物件は「京都地方裁判所」です。
京都御所の真南に位置しており、7〜8年前に改築をされました。


設計は最高裁判所の営繕。
施工は大成建設JV(1期工事)、山崎組(2期工事)。


アルミ鋳物メーカーの傳來工房で外構のフェンスと門扉を製作しました。
まず門扉ですが、一見シンプルなアルミ鋳物格子デザインの門扉に見えます。
真中のアルミ鋳物格子はパネル状でスチール枠の中に押し縁にて留め込んでいます。
ただ枠にも梨地のアルミ鋳物がご覧いただけるでしょうか。


これはアルミ鋳物の梨地平パネルを製作、カットして枠にビス留め、
というデザインになっています。
ビス跡はパテ処理を行い、塗装を施しています。

さて次はアルミ鋳物製フェンスです。


高さは600mm、支柱間ピッチは約2000mmです。
枠サイズは見込み40mmとしており、かなりシッカリした造りです。
通常では支柱は型材を使用するのですが、今回は60mm角のアルミ鋳物としています。


支柱とフェンスの納まりがスッキリしており大変綺麗です。
実は1本の支柱とフェンスを一体鋳造しています。
支柱のもう一方の面にはスリットが付けてあり、
横に来るフェンスを差し込み出来るように設計をしています。
アルミ鋳物だから出来る支柱一体鋳造です。

これから紅葉を迎え、御所が綺麗になって行きます。
プラプラと散策が気持ち良さそうですねぇ。

2008年09月07日

アルミ鋳物《意匠扉》2作目 《祇園編》

意匠アルミ鋳物専門メーカーの傳來工房専務の橋本昇です。

女子ソフトボールで盛り上がった熱い北京オリンピックも終わり、
最近朝夕に少しずつ秋の気配を感じる季節になりました。
 
毎年ながら今年の夏も、京都のうだる様な暑さに呆れていましたが
その暑い京都祇園町へなんとお昼に行ってまいりました。

《祇園巽橋付近》

京都祇園を言えば舞妓さん、芸妓さん。その舞妓、芸妓の代表として
テレビの画面に初めて出てきたのが安藤孝子さんこと「おたかさん」。

元祇園甲部の名芸妓さんでその昔、日本テレビ系列の深夜番組『11PM』に
作家の藤本義一さんの司会で初代アシスタントとして出演されていました。


《本物は、もっとベッピンさんです。藤本義一さんも若い!》

当時、おたかさんは祇園町の中でも特に財界、芸術、芸能各界一流の
大人が集まる「BAR 孝子」のママとしても活躍されていました。

その親しんだ場所に「お茶屋 安藤」としてBARもある新しい建物が新築されました。


(1987年)

その時、我々傳來工房にご指名がかかったのがお店の顔となるデザイン扉。

お施主さんであるおたかさんから大事な玄関扉のご希望を聞くと

「モダンなエエ扉作っておくれやす」の一言。(さすが、祇園町のアバンギャルド)

そして設計事務所の先生と相談しながら提案した扉がこれです。


写真では伝わっていませんがかなり上質で重厚感溢れる扉です。
H2500×W1200材質:アルミ鋳物 仕上:アクリルウレタン樹脂塗装

この扉のテクチュアーは、もみ和紙の凹凸模様をシリコンで型取り
サイドに縦リブを加え、それを木型にしてアルミ鋳物を流し込みました。

デザインアルミ鋳物パネルは外部内部仕上げ共、贅沢に使いました。


「お店の名前どうしましょか?」
「義一さんに書いてもらうからそれを上手に使こてちょうだい」

扉の右上部にそれを入れる事にしました。

それがこれです。


藤本義一さんが書かれた文字を5mm蝋(ロウ)文字で丁寧に切り取り、
それを表扉の木型にセットし《文字を扉とアルミ鋳物で一体鋳造》しました。

これは、アルミなど鋳物でしか出来ない技法です。
内外装のデザインアルミ鋳物パネルに色々な文字やロゴ、ピクトなど
色々な使い方が出来そうですね。

単なるデザインパネルではなく
文字やロゴとパネルが一体化している価値は、大きい。
文字などの一体鋳造は、何よりも、施主が喜ばれます。


竣工後、何回か製品検査?も兼ねてお邪魔しましたが
いつもこう言っていただいた事を思い出します。

「ノボル君、この扉たぶん祇園町で一番重たい扉どっせ。
 開け閉めする時の何とも言えん重さがごっつエエわ〜」
(翻訳:私も大変気に入ってます。)

《余談》
盛夏の休日、お昼の祇園レポートです。(もし、よかったらどうぞ)

四条切り通し上ルの「権兵衛ごんべい」で好物の《鳥なんばそば》を食し、
いつもなら親子丼も頼むのですが暑さで本日はダウン・・・
ちなみにここの親子丼は昨年のdancyuダンチュウで日本一に選ばれました。


観光客でゴッタかえす甘味処「小森」を横目で見ながら
(本当は寄りたかったですが)
フラフラと古美術店が沢山ある新門前通りへ


戀壺洞 (この字を読める人は、スゴイ。)  
本物の古伊万里の好きな方には有名なお店です。
答え→レンコドウ

あまり古伊万里に興味がない方でもご上洛の際には立ち寄りをお薦めします。

手頃なそば猪口から小皿も色々ありますので日常使いに丁度良く、
毎日の食事の中でちょっとした京都の思い出にもなると思います。


特に建築家やデザイナーの皆さんは花唐草や蛸唐草など
呉須の染付けがお好きな人は多いですね。ここには良いものが揃っていますよ。

私はここで美味しい冷たいお茶をご馳走になりました。

《戀壺洞 れんこどう》
東山区新門前通縄手東入西之町
営業:11時〜18時 定休日:火


最後に美術工藝にチョット詳しい方へ

ここの屋号の篆刻は、熊谷守一の書です。

さすがに凄いもん持っておられます。