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2010年05月29日

京都建築大学校(大型門扉)

アルミ鋳物メーカー、傳來工房の杉村です。

京都の北西の方に南丹市という町があり、
この駅前に「京都建築大学校」という専修学校が有ります。

名前が示す通り、建築全般を学ぶ大学です。
在学中に二級建築士の受験資格が得られたり、
インテリアプランナーの資格を取れたりと、
建築関係の仕事を志す学生さんが日々勉学に勤しんでおられます。


JR園部駅を少し進むと目の前に学校の入口が有り、
校舎までには、まず大階段を上って行くようになっています。
今までオープンなアプローチだったのですが、
今回、大きな門扉、そしてフェンスを取り付ける計画が上りました。


デザインが縦格子なので他の素材、
例えばアルミ型材やスチールのフラットバー等が候補にも
ありましたが、ここはやはり学校の「顔」になる部分。
理事長が是非、「良いモノを」との要望でアルミ鋳物メーカーの傳來工房に
お問合せが舞い込んで来ました。


縦格子のフェンス、そして門扉を製作しました。
ただ、型材のフラットな縦格子ではなく、そこはやはり鋳物です。
表面にはロートアイアン風の小タタキ模様を表現しています。


引戸はW8000の両引き。
アルミ鋳物の縦格子の見込みは60mmを取っており、
しっかりと重量感有る門扉に仕上っています。

フェンス支柱にはステンレスのフラットバーを使い前面からも
スマートになるように納めました。


門扉の枠は当初スチール製で図面が描かれていたのですが、
後々のメンテナンスを考慮し、ステンレス製で製作をしました。

施工が終わり写真を撮影した日がちょうど入学式の日でした。
やや緊張した初々しい学生さんが傳來工房製の門扉を通って
大階段を上がって行かれます。


暖かくなれば階段に座ってダベる学生さんの姿が想像できそうです。

2010年05月15日

四神(しじん)

意匠・造形的なアルミ鋳物、ブロンズ鋳物専門メーカーの
京都の傳來工房専務の橋本昇です。

奈良県明日香村の特別史跡《キトラ古墳》の
《四神(しじん)》壁画の特別公開が5月15日から始まった。

ご存知のようにキトラ古墳は、高松塚古墳と同様
被埋葬者が確定されておらず、
諸説をめぐり学会、マニアの古代ロマンの心を熱くしている。

2つの古墳に共通するのは、中国・朝鮮・日本で古来より
伝統的に伝わる方角の霊獣《四神》の壁画である。


そのキトラ古墳のニュースを見て、
前に私が担当した《四神の仕事》を思い出し、現地に行ってきました。

《京都市武道センター》 設計:吉村建築事務所

この建物の東西南北に方角の守り神《四神》の彫刻レリーフを
意匠から原型、レリーフ製作まで傳來工房がお手伝いした。

《朱雀(すじゃく)》 南方  アルミ鋳物製 H:2000mm


原型は当社アトリエスタッフが油土で造形し、
石膏で雌型(めがた)を取った後、
樹脂で鋳造用原型を完成させます。

それを砂込めし、原型を外し凹部に約760℃で
溶解したアルミ合金を鋳込みます。

《白虎(びゃっこ)》  西方  アルミ鋳物製 H:2000mm


《玄武(げんぶ)》  北方  アルミ鋳物製 H:2000mm


《青竜(せいりゅう)》  東方  アルミ鋳物製 H:2000mm

当時、このプロジェクト意匠担当の建築家(長瀬先生)から
古代霊獣《四神》を現代的な造形で表現せよと宿題を頂き
全力で取り組みました。

久しぶりに現地に行き、良いお仕事をお手伝いできたと
当時の事を思い出し、感謝しております。

関係者の皆様、ありがとうございました。

現代建築の中で造形的な意匠、彫刻レリーフのご計画があれば
企画から製造施工まで一貫して対応できる傳來工房へご連絡をどうぞ。

建築家や施主の皆さんにお役に立て喜んで頂ける
《後の世に残せる仕事》を合言葉にスタッフ一同、注力しております。

《余談》

この四神のある京都市武道センター南前に

「剣道家の聖地」がある。


《武徳殿 ぶとくでん》 居合いの稽古がされていました。


平安遷都1100年の記念事業として平安神宮が造営され数年後、
故事に習いその北西隣に明治32年武徳殿が竣工した。

当時、ここに泣く子も黙ると言われた武専(ぶせん)、
武道専門学校が開設され、
日本の武道、特に超一流の剣の猛者(もさ)達が全国から集まった。

私は、この武専最後のプロの剣士のお一人であった丸田先生
(当時範士八段、後に範士九段)に高校時代2年間指導を受けた。

当時、先生が指導に来られる朝から
いつも腹の調子が悪くなるくらい緊張し、
大変稽古が厳しかったことを今でも覚えている。

それでも剣道部の約2時間程のクラブ活動後、
強くなりたい一心でこの武徳殿内の練成会へも熱心に通った。

約百年を経過した黒光りした道場で
雲の上のような存在の師範の先生方が上座に並ばれ、
武徳殿独特の張り詰めた空間の中で稽古した10代が懐かしい。

あれだけ練習したが現役時代,自慢できるような成績は残せなかった。
しかし、当時鍛錬したお陰で体力だけは現在も絶好調です!