意匠的なアルミ鋳物製品を鋳造しております
京都の傳來工房専務の橋本昇です。
タイトルを見て、「おやっ」と思われた方は
まちがいなく日本経済新聞朝刊を読まれている方ですね。
このタイトルは、昨年11月から始まった
辻原登(1990芥川賞)の連載歴史小説です。
江戸中期、一人の対馬藩士が朝鮮通信使に関わりながら
日本から朝鮮、モンゴルへ舞台が展開し、
《日本人としてのプライド》と《真の国益》を賭け、
物語が進むスケールの大きな作品です。
なぜ、この連載小説が《傳來工房の仕事》と関連するのか・・・・
宇野亜喜良(うの あきら)氏
繊細で甘美な独特の世界を表現される宇野先生のファンも多い。
宇野先生は、この連載小説「韃靼の馬」の挿絵を担当されています。
さて、毎朝読む連載小説の挿絵で女性の題材が出てくる朝は、
小説そっちのけで思わず見入ってしまう読者も多いのでは・・・・
それほど甘く、せつなく、幻想的な世界に引き込まれる。
その宇野先生とバブル末期、
京都のとあるディスコ(今時、こんな言葉はあるのかな)の仕事をご一緒した。
その施設の玄関上部に天使の彫刻を置くことが計画され、
そのデザインと監修を宇野先生が担当された。
われわれ傳來工房は、宇野先生がデザインされた天使の
彫刻製作を担当し納入設置した。
この施設の企画・設計を担当されたアベサンペイ氏とご一緒に
宇野先生に原型立会いのために京都の傳來工房のアトリエに来ていただいた。
宇野先生は、私に粘土原型触っていいですかとお話され
蒸し暑いアトリエで自ら箆(へら)をお持ちになり
熱心に原型のディティールを仕上げておられました。
今回の天使の彫刻を創作するにあたり、色々と調査されていた様子でしたが
今でも忘れないのは箆を置かれた
その時、
小さな声で「いい天使が出来た」と呟かれように私は記憶している。
《あとがき》
このディスコには、ふんだんに本物のブロンズ(青銅鋳物)を使い、
手摺りや爬虫類の彫刻などを納めた。
今から思うと刺激的な1990年だったように感じる。
傳來工房は、今まで建築、ランドスケープ、アートの仕事を中心に
アルミ鋳物やブロンズ鋳物を納めてまいりましたが
今回のように商業空間の仕事もたくさんお手伝いしております。
今回特別に1990年前後を中心にした
傳來工房の仕事《商業空間への展開》の写真集を
ご希望の方に謹呈することにいたしました。
ご希望の方は下記のアドレスまで
《商業空間への展開》写真集希望とお書きください。
尚、この写真集はすでに廃版のため、数に限りがありますので
お申し込み多数の場合は、ご希望に沿えない場合が
ありますのでご了解ください。