さわやかな秋晴れとなりました。
如何お過ごしでしょうか?
傳來工房では、毎年の恒例行事『お火焚祭』が、社内にある
稲荷神社で執り行われました。
毎年、伏見稲荷神社から神主さんに来ていただき開催されます。
経営幹部全員出席の、重要行事です。
以下は、お火焚祭の説明です。
旧暦十一月は火にかかわる行事が多く、宮中や公家の家、京都地方の神社や民家では、
やはり稲荷を祭る「お火焚」という行事が古くから行われていました。
御火焚は江戸時代から京都を中心に行われてきた神事で、
ホタケ、オホタケ、オホタキとも言う、火を焚いて日常のけがれや罪を祓い、心身を清める行事です。
霜月祭の特徴をもつもので、社前で神楽を奏し、供物を供えて火を焚いて祭りました。
参拝者は火焚串を奉納し、それを焚いてもらい、火の持つ霊カによって願いがかなうといわれています。
そのうち、今も盛んなのは、十一月八日、京都の伏見稲荷神社のお火焚神事です。
俗に鞴祭りとも呼ばれ、京都の人は「おしたけさん」と呼びます。
この祭りは、松のまきを井げたの形に組んで中央に神の依代となる笹を立て、
神楽や祝詞を上げてから笹に火をつけ、お神酒をそそいで爆竹を鳴らします。
稲荷神社は鍛冶の守護神とされ、特に鍛冶足さん・鋳物師など、火を使う職業の人々の信仰を集めています。
伏見御火焚祭りは古くから行われていましたが、天文十二年(1543)以来、
幕末まで久しく中断されていたのを、文久三年(1863)宮中の配慮により再興され、
明治時代になって再び中断、近年になって復活しました。
おなじく京都では、十一月二十六日に「愛染お火焚」も行われました。
これは藍を使う染物屋が行う染色がうまくいくように祈願する祭りで、
主人が愛染明王に参り、釜に入れた藍にお神酒を供え、藍の釜に水をたたえて火を焚き、
今年も藍の色がよく出ますようにと祈ります。
愛染明王はもとはインドの神で愛の神とされますが、
江戸時代に愛染と同音の藍染と同一視する風潮が生まれて、
染物屋の神ともされたのです。
このほか、二十八日は不動尊のお火焚として、
京都の風呂屋、練物屋、瓦屋、湯慰斗(ゆのし)屋など火を用いる職業の家で不動尊を祭る風習もありました。